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「歩いて来られたんですか」って言われすぎる(白峰・鷲羽山旅行)

香川の坂出にある白峯寺と、岡山の下津井・鷲羽山に行きました。


5月のコミティアに出ようと思って原稿をしているんですけど、1月末から同じ漫画を描いてるので絶対途中で飽きるわと思って、予めサボってもいい期間を用意しました。つまり旅行です。(5月のコミティアは落選が発生するそうです。落ちたら……そのとき考えます)


海辺でゆっくりしたいな〜と思って、鷲羽山下電ホテルを予約しました。

瀬戸大橋を望む最高の立地です。

しかし鷲羽山の対岸には坂出があり、坂出には崇徳上皇の御陵を有する白峯寺があり、行くしかないと思いました。

白峯寺へ行く手頃な手段がなかったので、レンタサイクルを借りました。片道30〜40分くらいでした。

途中でうどんを食べました。


別に体力はないので、海辺でゆっくりする旅行とは言えなくなりました。

とりあえずトレッキングシューズで行きました。

山の麓に自転車を停めて、西行法師の道という、崇徳院と西行の歌を中心に様々な歌碑が並ぶ石段を上がって行きます。これも40分くらい。

たくさん、それはもうたくさん歌碑が並んでおり、気付いたら声に出して読んだりしていました。周りに自分しかいなかったし、自分は体力がないし、そういうことをしないと登るのがしんどかったからです。

春にお墓参りとかするもんではないなと思いました。

なんかウグイスとか鳴いてるし、桜も咲いているし、悲壮感とか何もなくただぽやっとした気持ちで「R.I.P……」と思うことしかできなかったからです。院の眠りが安らかであれと祈る、讃岐の人々の思いをバチバチに感じました。感想これで合ってるか?


卒業シーズンなので、行き帰りの途中、学ランの胸ポケットに花飾りを挿して川沿いを歩く男の子とか、海辺の堤防で自撮りをしているセーラー服の女の子たちとかがいました。

「幸あれ」と思いました。


消費体力の大きさに比して、思いのほか白峰参詣はスムーズに終わりました。

ホテルのある岡山側へ移動します。

途中、下津井(瀬戸大橋の真下の港町です)にある「名曲喫茶 時の回廊」というお店に寄りました。

仄暗い店内にクラシックが流れ、オレンジのランプがわずかにテーブルを照らす静謐な空間です。自分が暗い場所の写真をまったく撮れないことがわかりました。

コーヒーとケーキをいただきましたがこれがめちゃくちゃ美味しい! 本当にまた行きたい。


ホテルではただただ瀬戸内海を眺めて過ごしました。

ビーチにも出られるし、ずっと波の音が聞こえるし、行き交う船を眺めているだけで時間が過ぎていくし、本当に出たくなかったんですが……チェックアウトギリギリの時間に出ました。


与島(瀬戸大橋がぶっ刺さってる島の一つで、路線バスでも行けて景色のいいPAがあるらしいです)に行こうか迷ったのですが、バスの本数が少なくて心配だったのと、鷲羽山展望台の遊歩道に惹かれたのでそちらに行きました。

歩きやすくてめちゃくちゃ楽しかったです。


下津井の町に降りてぶらぶらしました。

坂と階段と昔ながらの民家がひしめく漁港らしい風情の中に、デッッッッケエ瀬戸大橋が聳え立っているのでそのアンバランスさにくらくらします。脳の空間認識とかの部分がバグる!

昔ながらの漁港なので瀬戸内海を見下ろす神社やお寺が多くてこれも良かったです。


足を酷使した旅行でしたが旅程としては詰め込みすぎず、見たいところを存分に見られました。


帰ったら1冊だけお試しで作った新刊(予定ページ数の半分だけできている)が届いていました。ちょっと紙とかの選択が微妙だった気がして、違う仕様も試してみようかな〜と思い、再び原稿の気分になりました。

コミティア行けるかしらんけどがんばるぞ〜〜!


おわりです。